|
「八ケ嶽の魔神」
国枝史郎作 630円 |
|
「……私は故郷は信州諏訪です。そこから八ケ嶽がよく見えます。……八ケ嶽と反対の方角に、一連の山脈がございます。……可愛らしい山脈ですが、これを越すと伊那へ行かれます。この二連山に囲まれてみるのが所謂諏訪の平であり、そこにあるのが諏訪湖です。で此三ツを材料にして、作為をかまへたのが『八ケ嶽の魔神』で、勿論全然空想の作で、史実など毫もありません」作者はこう語る。1924〜26年(大正13〜15)に「文芸倶楽部」に発表されたこの作品は発表時、「平安朝時代より明治大正に及ぶ怪奇伝」とうたわれた通り、八ケ嶽の窩人
(かじん)族と諏訪湖の水狐(すいこ)族との、長大な「確執・怨念・復讐」の物語である。 |
|
| 立ち読みフロア | |
|
十四の乙女(おとめ)久田姫(ひさだひめ)は古い物語を読んでいる。 |
|