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「好色五人女」 井原西鶴作/福島忠利訳 ドットブック 161KB/テキストファイル 71KB 315円 |
| お夏、おせん、おさん、八百屋お七、おまんの五人の女の命をかけた恋を描いた西鶴の実録ものの代表作。当時、親の目を盗んでの恋愛は不義密通の名で呼ばれ、これを犯した者は勘当され、それが自分の娘であった場合は、親はお上に訴えて打首、あるいは島流しにすべしという法令までできていた。まして人妻の恋愛となれば、現場で討ち果たすべしという法令があり、逃げても捕まれば磔刑(はりつけ)であった。五人女は、そういう道徳や制度と対決して、愛に生き、かつ死んだ。 | |
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春の海はしずかに、宝船が浪(なみ)を枕(まくら)にいかりをおろして、播摩(はりま)国室津(むろつ)はなかなかににぎやかな大港(おおみなと)である。ここに酒造りを商売とする和泉(いずみ)清左衛門(せいざえもん)という者があった。家が栄えて、万事に不足なく、しかも跡とり息子に清十郎という者がいて、もって生まれた男振りは、業平(なりひら)の絵姿よりもすぐれていた。 |
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